(「タコジロー」でイワナ)
 8月4日 田茂谷
 先日、井伏鱒二さんの「黒い雨」を読み終えました。
広島原爆のお話しです。
かいつまんであらすじを申しますと
「戦争が終わって数年後のとある村に住む、閑間重松・シゲ子夫妻と、同居する姪の矢須子さんの物語。
閑間夫妻はここ数年、悩みがありました。それは姪の矢須子さんの縁談が、なかなかまとまらないことでした。その原因は、彼女が原爆症だといううわさが広まってたからなのです。でも彼女は、以前の健康診断で全くの健康体であることは証明されてたのです。
そこで重松は、当時の8月6日から8月15日までの彼女の日記を清書して縁談相手に見せて、あらぬうわさを払拭しようとします。ただ、その日記の中には、8月6日、矢須子さんは、黒い雨に打たれたことを書き綴っておりました。
また、重松は、学校の図書室の資料として、8月6日から8月15日までの、彼の被爆体験記の提出を頼まれており、彼自身の当時の日記も清書することにまります」
これにちょっとの物語が付きますが、それは伏せます。
作品の構成は、、現在(終戦数年後)の閑間夫妻・矢須子の生活と、被爆時の矢須子の日記、重松の日記が織り交ぜになって、原爆当時の様子、そして現在の様子が語られます。
原爆のお話だから重い物語かと思いきや、いや、もちろん重い事なんですが、主人公の重松は、中々に飄々とした人物で、井伏鱒二さんの釣り随筆を読むときと同じ感覚も味わえました。
被爆時の広島の様子の記述は「はだしのゲン」の漫画を思い起こしました。
年に1回でいい。この時期だからこそ、こんな本を読んだり、映画だったりアニメだったりを見て、「平和」を思いたいもんです。それに今年は、「成から令」の変わり目なんだから。

私の「黒い雨」に対する感想ですが、最後の3行が、あまりにも切なすぎる・・・。

さて本日は、田茂谷へ行きました。
晴天、無風、湿度高め、水位も高め。お魚の活性は低め。
主にチョビスケやらタコジローやらを中心にやりますが、時折見つける魚影に対しては、ドライフライを投げます。
ところが、そんなお魚は、とりあえずはドライフライを見に来るものの、チョンと突っついて隠れてしまうか、もしくは見るだけ。だいたい3投もすれば隠れてしまう。まあ、1投目で、ちゃんとお魚の目の前にキャスティング出来ない私の技量がいけないのかもしれない。
5時間かけて、やっとこさ1匹釣る。

 お盆の釣り
 10・11・12日と、近所の谷を徘徊しておりました。
釣行先は、寒水・牛道・庄川・三谷川・寺河戸・寒水・牛道と、釣り渡っておりました。
ただ、30分釣って「こりゃあ釣れん」と思った所は、とっとと移動しとるし、入渓してすぐに、釣り下ってくる釣り人と遭遇すれば、やっぱりとっとと移動しております。
10日は1日中クソ暑かったですが、11日の庄川を吹く風は心地よく、12日の寒水では、入渓するまではとっても心地よかったけれど、ちっとも釣れないと、やっぱり不機嫌になるのです。
この間、釣り方は邪道フィッシングが中心。そして時折見かけるお魚やらライズに対してはドライフライを投げるも、ほとんど無視されるか嫌われた。なんだか、とっても小さい何かを食ってる感じがした。

 






 (夏の雲から秋の雲へ)
 8月25日 庄川支流
 今回は、局長さんと、庄川のとある支流に行ってきました。
「とある」というのは、別にお魚が一杯居るから河川名を伏せる訳でもなくって、ただ単に、川の名前を知らないからです。まあ、それくらいに小さな谷なんです。
ここは数年前までは時折行ってた谷なんですが、ある年に台風があったか大雪があったかで倒木がひどくなってからは行ってなかったんです。
で、最近ここで「とある事」がおきまして、それで思いついて、「ああ、あの谷はどうなってるんだろう」と思いついて、お盆とその前にも1回行って、復活してるのを確認したのです。
それで、まだ行ったことのない、この谷の上流部へ行ってきました。
林道にはゲートがあって、その先へ進んで谷に下りますと、谷が2本に分かれております。小さい谷が2本に分かれるんだから、さらに小さくなりますが、今日は増水してるから、まあ、それなりの谷には見えます。
局長さんはドライフライ、私はタコSPを付けて釣り進みます。
時折、お互いのフライに小イワナが反応しますが、なかなか釣れない。そして局長さんは小イワナを1匹2匹釣ったか。そしてやっとこさ、局長さん20㎝くらいのを釣って写真撮影。その先で私は22㎝くらいのを釣って写真撮影。ほくそ笑む。
その先で、左岸から流れ込んでる支流が綺麗な滝となってるところがあって、局長さんに、「ここで釣って、滝をバックにイワナの写真を撮ってください」と言ったら、本当に釣った。冗談だったのに・・・。
その先は、流れもさらに細くなり前半終了。

昼食後は、同じ谷の下流へ移動。
この辺りはガレガレのフラットな渓です。タコSPにはむかずドライフライ向きな流れです。それでまあ、最初はドライフライの局長さんに任せます。でも芳しくない。しばらく進むと、渓相にもそれなりに変化がつきまして、時折、局長さんは悔しがっております。
私はと言えば、ドライフライを投げる局長さんの横に立って、「今出たのに~~」とか、「あっ~~」とか言って、局長さんと一緒に悔しがるのです。ただしそこには、「局長さん、またミスったね。ウフフッ!!」という、ブラックな私が居るのです。
でもそんな中、開きに居る魚を同時に発見して、局長さんはそこへ再三フライを投げるけど、私にはその魚は、向こうの岩の手前の流れに入ったように見えたから、「あっちの流れに入ったよ」と言った。局長さん、すかさずその流れにピシャリとキャスティングして、一発でヒット。我々としては良型ヤマメ。上手いな~~と感心してしまった。
でも、釣り人の横であーだこーだと言って、ちゃんと釣ってくれると、なんだか自分で釣ったような気がして嬉しい。
ただし、悔しい気もちもあるので、私も頑張る。でも、タコSPには、時折アタリはあるものの中々取れず。やっと取れたと思ったら、すぐにバレた。
その後、お互い釣れないまま進んで、局長さんがドライフライを散々流したポイントを、私がチョビスケを1回流したら17㎝くらいのイワナが釣れた。ほくそ笑む。ドライフライを流した後に釣ってほくそ笑む。これが邪道フライの真骨頂なのですよ。
そして出渓予定地点を見誤って、ゼーゼー言いながら林道にたどり着いたのでした。